めそ。

人生がっかりイリュージョン、漫画は血液

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ピンク!


兄が逝った

明るくて、人気者で、それなりに頭もよくて、
自慢だった兄が逝った

夏が逝った、九月の終わりのことだった

兄に病気が見つかったのは一月の終わりだった
元々痛かったという足や腰の痛みがひどくなって、病院に行った日だった

「   」だった。

「手術すれば大丈夫。初期のものですよ」と医者は言い、兄はそれを信じた
兄がそれを僕達家族に伝えたとき
母は信じた
僕も信じた
父だけが疑っていた

結局それは嘘で、僕達家族は病院に呼ばれ、
「覚悟をして下さい」と沈痛な面持ちで医者に言われた
母は俯いた
僕も俯いた
どこかで信じていた父も俯いた

それから、僕達家族は兄のための生活を始めた
兄のため、自分達のために。

兄の病気は箝口令つきで親戚に伝えた
親戚は皆、まるで兄がもう死んでしまったかのように僕達家族を慰めた
祖母は泣き、一気に老け込んでしまった
祖母だけではない。母も父も、老け込んだ

最初は賑やかだった
兄は大学でフットサルなんかをやっていて、友達がしょっちゅうお見舞いにきてくれた
可愛らしい彼女も見舞いにきてくれた
兄は毎日笑っていた

次第に兄は痩せていった
ひと月ふた月経つ頃には頬はこけはじめ、目に力がなくなってきた
それでも親戚や友人などがお見舞いにきてくれると笑っていた
兄の彼女なんかは頻繁にお見舞いにきてくれるようになり、母はありがたいと泣いた

兄は生きていた
しかしみ月をすぎる頃には頬はこけて顔は小さくなり、腕も足も細くなった
筋肉の落ちた足を示して「お前のジーパンはけそうじゃね?」と笑う兄にうまく笑い返せなかった
日に日に変わる兄に母は泣いた
そして毛も抜けはじめ、一人で立てなくなり、悔しそうに僕や父の支えで用を足した

兄の彼女はすっかりこなくなった
(葬儀の時には誰よりも泣いて誰よりも兄の遺体に縋っていたが)
(それでも決して顔は見なかった、「辛い」のだと言う)

それでも兄は最後まで気丈に生きた
一度は弱くなった目の光も、最後はぎらぎらと、痛々しいほど強かった

本当に兄は気丈に生きた


兄のいなくなった病院のベッドを片していると、ワックスがでてきた
有名メーカーが旅行用などで小さいサイズで出しているものだ、確か下の売店で売っている

小さいサイズなのはこれしかなかったからか、それとも

まばらになった髪をワックスで誤魔化して気丈に振る舞う兄を思ったがうまく泣けなかった
「んでそのワックスは兄の形見かもしれないじゃないですか、
大事に持ち歩いていたのになくしちゃったのかもしれないじゃないですか」

「いや、それは考えすぎでしょ。ただの落とし物だよ。」

屁理屈をこねてばっかのわたしを優しく制する、一昨年図書館で使い古しのワックスを拾った
優しくて頼りない男友達のバースデーなのです、今日は

(そして昨日はうちの親父のバースデー)
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コメント

なんだかゾクッとしちゃいました…
あ、お父様お誕生日おめでとうございます(`・ω・´)★

ありがとう><
相変わらずどうしようもない父です
壇れいと松島ななこと葉月りおなが大好きらしいです

今から考えると前フリが不快っぽい文章でサーセンです;;

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